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こうした、医療機関同士が自分の専門性を生かして連携を組むことを「医療連携」と言い、診療所と病院間の連携を「病診連携」、病院同士の連携を「病病連携」、診療所同士の連携を「診診連携」と言います。 高機能病院という″新幹線″に乗るためには、まずは診療所という″在来線″に乗ってから、これが、長い目で見ると自分のためになるのです。

例を挙げて説明しましょう。 ケーススタディ「カテーテル治療」のための紹介状高血圧を基礎疾患に持つAさんは、近所のX医院をかかりつけ医にしています。
X医院は院長が一人で診療している個人診療所。 診療科目は内科のみを標榛していますAさんは二週間に一度のペースでX医院を受診して薬をもらい、それ以外にもカゼをひいたときなどもX医院で診察をしてもらう関係です。
そんなAさんがある日、胸の痛みを訴えてX医院を受診しました。 数日前に駅の階段を上っていたら急に胸を締め付けられるような痛みが襲い、ベンチで休んでいたらそのうち痛みは引いていったものの、その後も何度か同じような胸の痛みを感じるようになったとのこと。
不安に思ってX医院に相談したところ、院長は、坂道や階段を上っているときの急な胸痛、休んでいたら痛みが引くという特徴的な症状、元″基礎疾患として高血圧を持っているなどから、「狭心症の疑いあり」との結論に至りました。 そこで院長は、同じ市内にある大学病院の循環器内科あてに紹介状をかきました、大学病院ではその紹介状の内容から必要な検査を行い、その結果、「Aさんは狭心症」との確定診断を下しました。
X医院の院長の見立ては正しかったのです。 すぐに入院の予約を組み、二週間後にAさんは入院し、カテーテル治療という血管内治療を行うことになりました。
カテーテル治療とは、カテーテルという細い管状の治療機器を血管の中に挿入し、先に付いているさまざまな器具で血管内の狭窄を除去して、血流を改善させる治療法のことです。 狭心症を放置すれば心筋梗塞を招きかねないので、早急に何らかの処置をしなければなりませんが、そのためには専門的な設備が必要で、とてもX医院では対応できません。
かつては、バルーンで一度は広げてもその後に再狭窄してしまうリスクが指摘されていましたが、最近では広げた部分に「ステント」という金網を装着し、さらにはそのステントに再狭窄を防止する薬剤を染み込ませておくなど、二重、三重の仕組みが施されるようになり、外科的に胸を開いて行う手術よりも患者の受ける身体的なダメージが小さい(カテーテルを挿入する大腿部や手首に直径数ミリの穴を開けるだけなので、開胸手術と比べると術後の回復にかかる時間が大幅に短縮できる)ことなどの理由から近年広く普及してきました。 Aさんのカテーテル治療は成功し、一週間の入院で無事に退院。
その後一年間は検査のために大学病院に通いましたが、再狭窄の兆候もなく、また栄養士の指導を守って高脂血症や高血圧防止の食生活を送っていることなどから、″晴れて″X医院に戻ってきました。 大学病院に行くよりはX医院のほうがAさんの自宅からは近く、通院は便利だし待ち時間も短くて済みます。
医療機関側にとっても、大学病院にしてみれば高度な医療が必要ではなくなった患者にいつまでも来てもらっても外来が混雑するばかりだし、既述のように、かかりつけ医から後方支援病院に患者を送ることを″紹介″、反対に高度医療の必要性がなくなって従来のかかりつけ医に患者を戻すことを″逆紹介″と言います。 近年、日本の医療界でも紹介というシステムは根付いてきましたが、一方で開業医の多くからは「逆紹介がない」といった不満の声が聞かれます。
つまり、「手術や高度な医療の必要性がある」と判断して後方支援病院に送った患者を、深刻な状態を脱して外来通院が可能になったにも関わらず元のクリニックに戻さない、つまり逆紹介をしない病院が多いという不満です。 この背景には、病院側の″抱え込み″という問題があります。

せっかく来た患者を簡単に手放したくないという経営上の理由からです。 X医院にしても、元″はそこの患者だったのだから自分のところで診られるのであれば戻してもらいたいところ。
つまり、三者にとってそれぞれ理想的な結果となったのです。 行ったら戻す″逆紹介″の重要性もちろん、その病院でなければできない検査を必要とすることから逆紹介ができないこともありますが、従来の診療所時代と変わらない内容の診療だけでいつまでも病院に通わされているようなら、患者のほうから一度「いつ診療所に戻れますか?」と確認してみるべきでしょう。
こうした病院による患者の抱え込みは、せっかく構築されつつある医療連携というシステムの崩壊を招くことはもちろん、何より患者にとってのデメリットになってしまいます。 ラム診療所から後方支援病院に患者が送られるときに持たされる「紹介状」・正式には「診療情紹介状には何が書いてあるの?封筒の表側には「○○病院××科△△先生机下」などと恭しく宛名が書かれています。
紹介先と紹介元の医師はお互いに知った間柄のことが多く、だからこそ「この病気ならあの先生」と自信を持って自分の患者を紹介できるのです。 普通は紹介状を書く段階で、患者には「○○病院の△△先生のところに行ってください」と伝えられるので、その紹介状を持って△△先生のところに行けば自動的に医療連携は成立するのですが、紹介の形は必ずしもこうしたものばかりではありません。
たとえば、スキーに行ってゲレンデでケガをしたような場合は、スキー場の近くの医療機関で応急処置をして、あとは患者の自宅の近くの病院に患者を送ることになります。 この場合、まったく異なる医療圏の医師に紹介しなければならないことのほうが多く、そこに紹介元の医師と付き合いのある医師や医療機関があることは稀です。
そんなときは、医療機関名や医師の宛名は書かずに紹介状を患者に渡します。 そして、患者が自分で地元の医療機関の中から選んだ病院に行って、その紹介状を渡せば連携できるようになっています。

つまり、紹介状には宛先は必要ないのです。 それどころか、たとえ宛名が書かれていたとしても、患者が宛名とは別の医療機関、別の医師にその紹介状を持って行っても、患者紹介は成り立ちます。
紹介状の宛名よりも、患者のフリーアクセスの権利のほうが優先されるからです。 紹介状が入れられた封筒は大抵は封印されているので、患者はそこにどんなことが書かれているのかを読むことができません。
しかし、治療を受ける患者自身が、自分の紹介状を読めないなんておかしな話です。 いったいどんなことが書かれているのでしょう。
紹介状のフォーマットがあるとします。 患者の氏名や生年月日などの基本情報の下の欄に、医療情報を記入します。
疾病名、紹介目的、既往歴および家族歴、症状経過および検査結果、治療経週現在の処方、といった欄を埋めていきますが、一番上の紹介先医療機関名の欄は、すでに触れたとおりの理由から書かない場合もあります。 最近では電子カルテが普及し、手書きではなく電子カルテから直接紹介状をプリントするケースが増えています。
なお、医師は紹介状の内容を患者に見せてはいけないという決まりはありません。

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